2018年04月26日

イタリアの税制〜伊訪問記[2]〜

小谷野です。
5年ぶりのイタリア訪問記の続きです。今回は真面目な税金の話です。

(消費税−VAT付加価値税)
イタリアの標準税率は22%ですが、軽減税率があります。食肉、卵、薬などは10%、生鮮野菜、牛乳、チーズ、パスタ、新聞などは4%です。

日本も来年の消費税率10%への引き上げ時に軽減税率が導入される予定です。
伊での教訓ですが、消費税率も20%という水準になると、脱税が増えます。
個人宅の内装工事の発注などで、現金支払いで領収書不要なら2割引という取引がよくあるそうです。
イタリアでは実際の税収額の2割以上の脱税額があると言われています。
この防止策として、現金取引の上限設定、インボイス方式(税計算のための厳格な証憑)の導入が予定されています。

(法人税・所得税)
日本では30%位の法人税負担が、イタリアでは実質25%以下で済むことが、個人会社が多い理由の一つでもあります。

一方、所得税負担は高く、高所得者50%程度の税負担は日本とあまり変わりませんが、低・中所得者層の税負担は日本と比較にならないほど高いです。
低所得者でも30%程度の税負担があります。
しかし、これはイタリアが高いと言うよりも、所得税負担率10%以下の層が8割以上という日本の現状制度に異常性があるようです。

(相続税率)
税率は4%で基礎控除も1.3億円あります。
日本の最高税率55%で基礎控除3000万円と比較すると税負担が極端に低い国と言って良いでしょう。

昔、財産とともに母と娘がイタリアに移住したケースがありましたが、その背景にはこの税制がありました。
ファミリー会社(日本で言う同族会社)の相続が容易であり、ノウハウや伝統を受け継ぎやすい環境とも言えます。

日本も先月、平成の徳政令といわれる会社相続の特例措置が導入されました。
(詳しくは http://koyano-cpa.sblo.jp/article/182695575.html

ところで会計の世界の話ですが、複式簿記はイタリア人数学者ルカ・パチョーリが繁栄していた商業の街、ベネチア商人の様々な取引を整理するために発明したと言われています。
商業と銀行業の記録・計算のために発達したようです。
ちなみに銀行業もイタリアが発祥で、12世紀に伊で両替に使った長机(banco)がバンクの語源にもなっています。
この他、イタリア起源としては、クラッシック音楽、オペラ、
最古の総合大学といわれるボローニア大学、フランス料理も
フランス王アンリ2世に嫁いだイタリア・メディチ家からカトリーヌが
持ち込んだ料理が起源と言われています。

〜 みやげに香水買って、にわかイタリア男 小谷野でした 〜



複式簿記生みの親 ルカ・パチョーリ
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posted by 小谷野 幹雄 at 17:16| 2018年

2018年04月20日

3人寄れば4つの政党ができる〜個人主義のイタリア〜

小谷野です。

イタリアを5年ぶりに訪問しました。在伊50年以上の日本人をはじめ様々な方のお話を聞く機会に恵まれました。

現地の監査・税制などの話は後日にして、イタリア人気質の話です。
イタリア人気質として、ラテン系の陽気さが有名ですが、個人・家族主義の強さも特色のようです。

1.3人寄れば4つの政党ができる
政治の世界で使う言葉ですが、主義主張が多く強いので、一つにまとまることが難しいことを表す言葉のようです。
私が訪問したときイタリアは3月4日選挙後の無政府状態が続いていました。
一つの政党が過半数の支持を得るのは困難で、さらに連立も難しいのがその理由でした。
日本のように「昨日の敵は今日の友」、自民党と社会党が連合する野合などはあり得ない風土のようです。
ちなみに投票率は73%で低い方だそうです。

1.カンパニーレ(鐘楼)が見える範囲が自分の生活圏
中央集権の長い歴史を持つ日本とは異なり、伊は様々な小国が150年前にひとつになったので、地域志向がとても強く感じます。「あなたイタリア人?」「いいえ、ベネチア人です」という会話も普通に行われます。
カンパニーレ(鐘楼)は、日本で言うと村の「火の見櫓」でしょうか。

1.会議では様々なアイデアや意見が集まる
会議になると、日本とは違い、各人が様々な意見を述べるそうです。
ブレーン・ストーミングで人々からアイデアを出してもらう目的では大変有効な気質だそうです。
一方、皆の意見をまとめて前に進むのは容易ではないそうです。

1.小規模の会社が多い
個人・家族主義が強く、組織のために働く意識が低いので大企業が育ちにくい風土のようです。
零細・小規模の企業比率が高く、このような個人・家族主義は伝統を守り続けることを容易にし、さらに職人気質を育み、バッグ・靴・車などこだわりの高品質の製品を多く生んでいます。

ところで、気質とは関係がありませんが、イタリアは第二次世界大戦で戦勝国でした。
日独伊三国同盟の同胞であり敗戦国と思っていましたが、伊は戦勝国だったのです。
戦況が悪くなると王政(現在は共和制)を盾にムッソリーニを排除、終戦直前にはドイツ、日本に宣戦布告をしています。
戦後日本への戦争賠償請求も行われ、日本は見舞金の名目で賠償しています。
                                        (つづく)


〜 「あなた日本人?」「いいえ、代々木(事務所所在地)人です」小谷野でした 〜


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posted by 小谷野 幹雄 at 19:17| 2018年

2018年04月12日

孤独を愛せよ〜スマホの通知がない時間〜

小谷野です。

どちらのお坊さんの卓話か忘れましたが、「孤独を愛せよ」という言葉を思い出すことがありました。
孤独を嫌がる人は自由を嫌がる人だとか、群れの中だけでは物事を考える時間を無くし、人の創造や想像性を損なうという内容だったと記憶しています。

先日、スマホ嫌いのガラケー社長が嘆いていました。
若い社員連中との会食会で、数分おきにスマホのSNS通知音があちこちで鳴り、そして多くの人が受信の数秒後には返信していたそうです。
社長が内容を尋ねると、友人の夕食内容の報告だったり、知人の旅行中の報告だったり、とても急ぎでコミュニケーションをする必要性を感じなかったそうです。
孤独を嫌い、いつも誰かと繋がるために行う、四六時中「スマホいじり」は、考える時間を人から奪っていく、と懸念していました。

確かに、電車に乗ると殆どの人がスマホの画面を見ています。
SNSのメッセージを作ったり、ゲームで遊んだり、マンガを読んだり、ニュースを眺めたりして、創造性の高いことをしている人は意外と少ないようです。
昨今は電車の中で、本(電子ではなくアナログ)を読んでいる人がとても知的に素敵に見えてしまいます。

〜 SNS反応が遅い、しかとするなと(妻から)叱られる、小谷野でした 〜

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posted by 小谷野 幹雄 at 15:45| 2018年

2018年04月05日

日本の不思議〜観光立国を目指すのなら〜

小谷野です。

海外から日本に戻るとオヤッと思うことがいくつかあります。

日本の海外からの観光客数は、東京オリンピック効果もあり、ウナギのぼりです。
昭和の終わり頃は年200万人程度の訪日外国人数でしたが、2018年の今年は3000万人を超えると言われています。

ちなみに世界で観光客数が多いのは2016年の統計では第1位が観光大国フランスで、訪問者数は8300万人と仏国民の人口6400万人を上回っています。次が米国とスペインの7500万人、そして中国、イタリアと続き、日本は15位となっています。

以下、オヤッと感じる日本の風習です。

1.クレジットカードを預ける
レストラン、小売店などで、店の人が客のクレジットカードを預かって視界から消えることがよくあります。これは怖い。
過去日本でも居酒屋でカードを預けてスキミングでカード情報を盗まれ不正使用される事件が多発しました。
観光先進国では、客のクレジットカードに店の人が触れることは多くありません。
決済端末に挿入するのも客自身、金額・通貨確認・pinコード入力後カードを端末から抜くのも客自身で、他人が自分のカードに触ることがないので安心感があります。

1.洗面所で洗った手を乾かす手段がない
日本はハンカチ文化です。手を洗ったら、ズボンのポケットやハンドバックからハンカチを出して手を拭きます。しかし、この文化は一般的ではありません。
ハンド・ドライヤー(or紙タオル)の設置は海外観光客の受け入れには必需品と考えます。主要空港のお手洗いでも設置されていない場合が多く、驚きます。

1.新幹線にスーツケース置き場がない
旅行者は国内移動に新幹線を使います。
現状は大きな重たいスーツケースを無理に網棚にあげたり、
車両の最後尾の僅かなスペースに突っ込んだりしていますので、落ちる危険があったり、最後尾の席の人はリクライニングが使えなくなったりします。
日本は成田エクスプレスなどの空港列車以外の長距離特急列車においても、鍵機能のついた荷物置き場は必要と思います。

1.現金決済が主流である
日本の現金決済比率はようやく50%を切ってきたと言われます。
海外では社会システムのキャッシュレス化のスピードは早く、現金決済が10%程度になっている国もあります。旅行者になると分かりますが、現金払いの場合は種類の多い小銭の価値を理解していないので、お釣りが合っているか確認するのも不便です。

1.高速道路の標示が難しい
リピーターの旅行客はレンタカーを借りて移動するケースも多くなりますが、日本の道路標識は難しく、番号も付されていない高速道路名と見知らぬ街の名前だけでは、分岐点では間違いが多くなります。
分岐点では、東(East)西(West)南(South)北(North)の表示が入っていると、間違いを減らすことができます。
東名高速の番号が10番なら、10Westを見つければ大阪方面とすぐに分かります。
(*高速道路への番号導入は国交省で検討中だそうです。)

そのほか、細々としたことですが、
・タクシーにスーツケースが乗らない
 最近、新しい車両への入れ替えが進んでいますが、まだまだです。
・羽田の国際線ターミナルの自動車社会を前提にしていない道路設計
・挨拶が少ない
 タクシーの乗降時には、客も運転手も明瞭に挨拶を交わす国が多い。
 帰国すると、タクシーに限らず日本人は様々な局面で挨拶が少ないと感じます。

〜 にわか海外かぶれ? 小谷野でした 〜

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posted by 小谷野 幹雄 at 17:02| 2018年